弁護士ブログ/顧問会社が顧問弁護士に期待するもの

令和6年1月25日午後2時から2時間あまり、第3回企業のリスク管理法律講座を行った。聴取者は、顧問会社を含め8名であった。今回は2部構成で、1部は尾畑弁護士、2部は私が担当した。尾畑弁護士の分は、別に譲ることとして、ここでは、私の担当部分について要約して報告する。

 

顧問会社が顧問弁護士に期待することは何かにつき、理念的な説明を中心に話を進めた。

「法律を遵守することは、企業の基本的な心構えだ」と考えているのが統計上ほぼ一致した考えだ。しかし、実際には法律違反をしたり、紛争を起こすのは何故か。利益追求の誘惑に負け故意に違反する(ビッグモーターの件など)のは論外で、普通は正しいと思い込んでいることに誤りがあるケースが大部分なのである。このようなミスをなくすための方策の一つが顧問契約ということができる。

顧問弁護士に求める資質として、統計上①会社に関する業法上の知識②フットワークの軽さ③報酬基準のわかりやすさ④業界への知見⑤新たな法制度、法改正に対する知識等が統計上あげられている。

顧問会社が困りごととしてあげるベスト5は、統計上①雇用問題②債権回収③契約書チェック④社内規定等の遵守⑤経営改善・再生等だ。

また、会社が顧問弁護士に期待する資質としては、正確性、迅速性、柔軟性、共感性、安心性、好印象が一般的にあげられている。今困っていることに一刻も早く共感して的確に対応してほしいというのが会社の切実な要望なのだ。原理原則に従いつつもその場に応じた対応を望んでいる。

会社が従業員の個人的な悩み(離婚、相続など)を顧問弁護士に相談することも想定できるところではあるが、受任後は、事件の顛末は当該従業員と弁護士との個人情報となることは十分ご理解いただきたい。

 

その後、質疑応答に移り、聴取者からは、それぞれの会社に応じた個別の質問がなされ、熱い意気込みを感じた次第である。


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