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法律コラム/ー本部長は警察官の犯罪を隠蔽したのかー

1  鹿児島県警は、令和6年5月13日、女子トイレで盗撮したとして枕崎署地域課の巡査部長を逮捕した。一方、同月31日、鹿児島県警の前生活安全部長が内部文書を第三者に漏らしたとして、国家公務員法(守秘義務)違反の疑いで逮捕された。前生安部長が福岡のネットメディアに前記巡査部長の容疑を含む内部文書を漏らしたことが守秘義務違反だというのである。

2  これに対し、逮捕された前生安部長は勾留理由開示手続きにおいて、県警トップに位置する現県警本部長に指揮を求めたところ、本部長は『最後のチャンスをやろう』『泳がせよう』と言って前記巡査部長の犯罪行為を隠蔽したと陳述したのである。

3  1の問題点は、前生安部長のメディアへの通報(文書送付)が内部通報として免責(犯罪とはならないこと)されるのかどうかということである。警察という組織の中で上司に改善を求めても聞き入れてもらえる可能性が乏しいということであれば、第三者に通報する方法で組織の改善を求めてよいとする公益通報保護法という法律がある。

ただし、新聞報道によれば、国家公務員法違反について、起訴されたということなので、今後、公益通報の成否が争われることになろう。

4  2の問題点は、犯罪を犯したのに犯人が組織の一員である巡査部長であるからといって手心を加えたり、世間に隠していいのかという問題である。

5  いずれも、まだ事実が判明しているわけではないが、二つ指摘したい。一つは、性犯罪者の更生は極めて困難であるというのは、世間の認めるところではないのか(だから、日本版DBS法もできたのでは)。二つ目に、通報(密告?)を裏付けるためにメディアに捜索差押をするという行為は、報道の自由の侵害ではないか、裁判官は、捜索差押令状発布に当たり、この点どう考えていたのか、不可解な事件である。

 

事務局ブログ/お散歩・磯山神社

梅雨のはずなのに、気温は30度を超える暑い日が続いていますね。

 

この暑さで早く目が覚めてしまった日曜日の朝に、紫陽花で有名な磯山神社へ出かけ朝の散歩を楽しみました。今年のあじさい祭りは6月30日まで。まだ花が残っているのでは…と淡い期待を抱いていましたが、選定されてしまい咲いている紫陽花を見ることはできませんでした。

しかし、誰もいない静かな景色に心が落ち着き癒されました。

手水舎には紫陽花が活けてあり、花手水を見ることができただけでも嬉しいです。

 

これからの暑い季節は、早朝の涼しい時間に散歩や軽い運動をして体調を整えていこうと思います。

 

庭の隅にはまだ紫陽花の花が残っていました。

弁護士ブログ/男女共同参画と弁護士業界

男女共同参画が叫ばれて久しい今日ですが、弁護士会にとっても難しい問題となっています。

なにせ、弁護士は司法試験ありきですから、急に女性採用が増えるということも難しいのです。予備試験受験者は増えましたが、現在も一応の本道は、2年から3年の法科大学院を修了してからの受験です。

少し古い記録ですが、2020年時点の弁護士の女性比率は19.1%だったそうです。これでは単位会の会長などの役員も、なかなか女性比率は増えません。

 

先日、栃木県弁護士会の修習生旅行に参加してきたのですが、その様子も少し変わってはいるようです。

司法試験合格者のほとんどは、司法修習生として各県に散らばり、1年間の修習を受けます。私が平成28年に栃木県で修習を受けた時は、22人の修習生のうち、女性は3人しかいませんでした。

令和6年の今年、正確な数は把握していませんが、栃木県の修習生の3分の1ほどは女性のようでした。

まだ男女半々とはいかないようですが、徐々に女性弁護士も増えていくのでしょう。

男性弁護士として、女性の依頼者の仕事ができないとは言いたくないですが、例えば女性向けのDV被害相談窓口など、やはり同性の弁護士が対応するのが望ましい場合はあります。こういった事件は特に深刻であることも多く、相談しやすくなることは望ましいことかと思います。

 

事務局ブログ/坐禅入門

ごきげんようジムカタです。先日、仕事帰りの雨上がり。友人と共に食事する店へ向かう道すがら、なんと虹を発見!どんどん消えていってしまう虹を追いかけ、はしゃぎながら写真を撮る、いい歳の大人が2人。食事前でしたので、まだ素面でした。

 

そんな私ですが最近、ある坐禅会へ参加してまいりました。この坐禅会、私が写経のために数年前から月一で通っている曹洞宗のお寺のもので、かねてより関心はありましたが、なかなか時間の都合がつかず、今回やっと少しだけ参加することが叶いました。

本格的な坐禅は初めてのため、まず座り方を教えて頂いたのですが、半跏趺坐(はんかふざ。左の足を右の太ももにのせるだけ)はまだしも、結跏趺坐(けっかふざ。さらに右の足を左の太ももにのせる)となると、私のような初心者は非常に辛い!というのが正直なところ。

そして坐禅はまず「調身」身を調える、次に「調息」呼吸を調える、そして「調心」心を調える、という手順にて行うそうです。まずは形を調えるところからと伺い、やはり基本の型(かた)を重視する合気道や空手道などの武道、また茶道や華道という「道」と言われるものと共通するものを感じました。

まだほんの入り口に立ったばかりですが、坐禅を通してどんな世界が自分の心の中に広がるか、期待しているところです。

弁護士ブログ/下請法について

令和6年5月10日、宇都宮市文化会館会議室において、第4回企業リスク管理法律講座として、下請法についてのセミナーを行った。参加者は、8名であった。

 

下請法を扱うきっかけは、ここのところ、日産自動車が下請部品会社に減額を強要したり、コストコが下請に不当に返品を行ったといった問題が新聞紙上を賑わせたことによる。この機会に、下請法の趣旨、概要を知り、交渉のツールにしていただければ幸いである。

 

1 下請法は、独占禁止法(優越的地位の濫用規制)を補完する法律であり、一律に禁止の対象を定める点で、個別案件に応じて適応を検討する独禁法と異なる。

2 下請法は、業務の委託内容に応じてあるときは自社が親事業者になり、またある時は自社が下請事業者になることがあるが、基本的には、下請事業者になることが多いと思われる。

3下請法が適用される取引のうち、製造委託、修理委託に関する場合と情報成果物作成委託、役務提供委託の場合では、親事業者と下請事業者の資本金区分が異なる。

4では、どのような行為が違反行為にあたるのか。買い叩き(異常に短い納期で製造させるなど)、下請代金の減額、支払遅延、受領拒絶、不当返品、物の購入強制、割引困難な手形の交付などが行為が禁止行為にあたる。

日産自動車の下請事業者に対する減額強制は前記のとおり新聞にも掲載された(本年3月4日読売新聞)。

下請事業者は、立場上、減額要求を拒みにくいというのがこの種の事案の特徴である。

5下請法に違反すると、公正取引委員会による勧告がなされ、勧告内容は公表される。刑事罰もある。場合によっては、民事上の請求も可能である。

勧告に至らない事案についても、公取委や中小企業庁による指導がなされるケースもある。

 

悪質な取引相手に対する武器の一つとして、下請法を理解しておくことは意味がある。

ただ、実際にこの法律を用いることは相当の勇気がいることは間違いない。

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