弁護士ブログ/離檀料について(続き)

1 前回に続いてお墓の話です。「墓じまいしたい」と言ったら、「離檀料を支払ってほしい」と言われたらどうすればいいでしょうか。

法的に支払わなければならない根拠があるのでしょうか。契約があるわけではありませんので法的な義務があるかといわれれば、ないということになります。法的にはそうですが、今まで祖父母や両親の代でお世話になってきたのだから、多少の金額であれば払ってもよいと思う方もいるでしょう。しかし、100万円以上の請求だと簡単には払えませんよね。仕方なく払うか、離檀を諦めるかどちらか選択することになります。

2 相場と言っていいかわかりませんが、1年の墓の管理料を1万円として、その10年分の10万円位が一応の目安のようです。

離檀料が適正な請求か不当な請求かについて、争われた裁判例もほとんど見当たりません。何を基準に適正な離檀料を決めればいいのかを策定すること自体非常に困難ですし、何より裁判所という公の機関が信教の自由(憲法20条)に深く係る危険性があるといった理由から判決を出すことをためらうためかもしれません。

3 離檀(墓じまい)が増加しつつある昨今、寺院側がその存続を賭けて檀家の減少を食い止めるために紛争が生じることは避けられないように思います。まずは、当事者同士の話し合い、困難であれば、民事調停等で解決を図るのが穏当のように思います。


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