弁護士ブログ/永代使用料と永代供養料の返還請求

お寺に墓地をお持ちの方は、管理規約などといってお寺の住職が墓を管理し、新たに遺骨などを収納するには所定の遺骨預かり願いを提出し、遺骨はお寺が責任をもって永代にわたり供養する旨定められた規則を目にされたことがあるかもしれない。これについて興味ある判決がなされたので紹介してみたい(大阪地方裁判所令和2年12月10日判決)。

判決は、檀家がお寺に遺骨等を預けるということは、お寺が檀家のために遺骨等を保管することと永代供養をすることを約束し、その見返りとして檀家がお寺に永代使用料と永代供養料を払う約束をすることだという。

そして、檀家が支払う見返り、つまり報酬は、①遺骨等を永代にわたって保管、供養することの見返り部分と②このようなありがたい地位を取得するための見返り部分からなり、①の方が②よりも大切なので、①7割、②3割と見るべきだというのだ。

そうすると、檀家がなんらかの事情でお寺から遺骨等を引き上げたいとしてお寺に既に支払った永代使用料と永代供養料の返還を求めたらどうなるであろう。①は将来にわたってお寺がやるべきことだが、②は既にお寺がやり終えていることだから返す必要はない、返さないといけないのは①の部分、仮に、檀家が永代使用料と永代供養料として100万円お寺に払ったとすれば70万円は返さなければならないというのがこの判決である。

高齢化社会に入り、墓参のみならず墓の維持管理にもなんらかの工夫や見直しが求められる昨今、何かの参考になれば幸いである。


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