法律コラム/フェミニズムと婚姻制度

フェミニズムというと、一体なんのことか、これ自体非常に難しい問題ですが、ここでは、女性が男性に比べて不利益に扱われることを防ぐ仕組み、制度といった程度にご理解ください。

 

結婚、難しく言うと婚姻は、女性にとって実は差別的な仕組だと聞いてみなさんはどう思われますか?

互いに納得して夫婦になるのだから差別的でもなんでもないと思われますか?

 

ところが、これまで、婚姻制度が家父長制度を守るために機能してきたという歴史的事実も否定できないようです。名士・資産家と言われるような家が期待する部下に「娘をやる」ことで家を守る、あるいは、政略結婚で勢力を拡大するといったことが当たり前のように行われてきました。戦後施行された日本国憲法の第24条は、婚姻は両性の合意のみで成立するとして、結婚は、家同士、家父長同士の利益ではなく本人たちの自由意思でできると宣言しています。

しかし、現在でも、家父長制は根強く、夫は家庭外で、妻は家庭でという家族観は根強く、また、配偶者控除の税制などは、女性の労働を抑制する差別的な制度と言えなくもないので、フェミニズムの立場からは問題だと言われることがあります。

 

話は少し変わりますが、民法の、離婚後300日以内に生まれた子どもを前夫の子とする「嫡出推定」に例外を設けて再婚後に出生した場合は現夫の子どもとすることや、女性に離婚後100日以内の再婚を禁止する「再婚禁止期間」が撤廃されることになりました。このように、これまでの女性に不平等な扱いが徐々にではありますが、改善される傾向にあります。

 


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