発想の転換=無反省と無節操という生き方

 創業何百年も続くうなぎや、和菓子屋の味は昔からまったく同じ味なのだろうか?

 何代にもわたり一定の人から必ず受け入れられる味とは何なのだろうか?

 

 人間、ともするとすぐに結果を求めたがる。一気に知名度を上げたり売り上げを伸ばす方策を考えたがる。しかし、いつも試行錯誤しながら努力している一流のスポーツ選手ですら大舞台で生涯最高のパフォーマンスを瞬時に発揮することがいかに困難であるかはTVなどを見て我々の知るところである。本命と目されていたアスリートが無残な結果に終わることは決して稀な光景ではない。

 ましてや、大した素質もない私などがこの前はここがまずかったから今度はこうしてみようと試行錯誤らしきものを重ねて足掻いてみても逆に緊張感が先に立ってまた失敗するのがオチである。カッコいいことなど所詮できないし、する必要もない。それなら、いっそのこと無駄な反省などやめた方がよかろう。後ろなど振り返らずにその時々に興味を持ったことをやる、変なこだわりなど捨てて。過去の失敗を顧みず(=無反省)、一貫性なく瞬間瞬間の興味を大事にする刹那主義(=無節操)が仕事を長続きさせるコツではないか。くよくよして失敗を引きずらず、その時々の空気感を読み取って柔軟に対応すること単に媚びることとは異なる)が長続きするコツかもしれない。何代も続く老舗の食べ物屋さんですら時代に合わせ味を変えるのだと聞く。確信はないが、そうかもしれない。

 

 少しの頑固さを持ちつつも、世の中の流行や時流に逆らうことなく自然に生きること、時代に寄り添いながら生きることが充実した仕事を続ける流儀なのかもしれない。“フーテンの寅さん“のように。

 

 


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