遺言執行者の適格要件は何か、誰が適任か?

まず、法律上、未成年者と破産者は遺言執行者となることはできないとされています。
それ以外であれば、相続人のうちの誰かや、受遺者(遺言により財産を譲り受ける人)に指定することもできます。
しかし、遺言執行にあたっては、まず遅滞なく相続財産の目録を作成し、相続人に交付しなければならないとされているほか、登記や口座解約など事務作業も多く、負担は決して軽くありません。
また、相続人の一人を指定した場合、他の相続人から不満を持たれたり、そのため協力を得られなかったり、逆に適正・迅速に手続きを進めてくれなかったりと、後日トラブルが生じるおそれもあります。
そのようなトラブルを回避するには、弁護士を遺言執行者に指定するのが有効です。弁護士であれば日常業務の一環として、適正・迅速に手続きを進めることができますし、相続人間のトラブルを誘発することもありません。

遺言執行者を指定するメリット

遺言執行者を定めることは、遺言の有効要件ではありませんので、必ずしも遺言の中で定める必要はありません。その場合は、相続人が、上記の各種手続きを行うことになります。
もっとも、相続人が多くいる場合、相続人同士が離れて暮らしている場合、あるいは相続人間に感情のもつれがある場合などは、相互の連絡や、遺言内容実現のための手続きがスムーズに進まないことも多いでしょう。
遺言執行者が指定されている場合は、相続人は、相続財産の処分その他遺言の執行を妨げる行為ができなくなり、遺言執行者が相続人全員の代理人として、一切の手続きを代表して行うことになります。そのため、スムーズに遺言内容の実現ができます。
そのようなことから、遺言を作成する際は、遺言執行者を指定しておくほうが、残された親族に対しては親切といえるでしょう。

遺言執行者とはなんですか。

遺言執行者とは、遺言の内容を実現する人のことです。
遺言には、財産の処分や身分行為(認知、廃除など)に関するさまざまな事項が記載されていますが、実際に財産が相続人や受遺者(遺言により財産を譲り受ける人)にわたるまでには、引渡しや登記など、現実の行為が必要になります。預貯金の引き出しや、口座の解約も必要になってくるでしょう。
そのような手続きを行うのが、遺言執行者の役目です。

親が亡くなった場合、法律上子どもがやるべきことはどういうことでしょうか?

法律的な手続きに関しては、相続放棄の期間(3か月)、相続税の納期限(10か月)等に注意して下さい。

 

法律上やるべき手続

被相続人の方がお亡くなりになった後、概ね次のような流れで手続等を進めます。

・死亡から7日以内に市区町村長に死亡届を提出。

・遺言の存在を確認。自筆証書遺言、秘密証書遺言の場合、家庭裁判所に検認の申立て

・相続人、相続財産、被相続人の負債状況を調査。

・被相続人の財産・負債を調査した結果、負債が多い場合は、相続開始を知った時から3か月以内に相続放棄や限定承認の手続きを行う

・被相続人に関する所得税の申告・納税を4か月以内に行う。

・遺産分割協議、協議が調わない場合、家庭裁判所に遺産分割の調停又は審判を申し立てる。

・遺産の分配、名義変更

・死亡から10か月以内に、相続税の申告・納税を行う。

実際には、相続放棄ができる期間である3か月以内に負債状況の調査ができなかったり、10か月以内に遺産分割協議がまとまらないケースも少なくありません。
その際は、相続の承認・放棄の期間伸長の申立てを行い、あるいは税理士とも協議して、手続きを進めていきます。

 

弁護士に委任すると……

多種多様の相続財産が存在する場合や、相続人間の言い分が大きく食い違う場合などは、スムーズに話が進まないケースも多くみられます。
当事務所では、相続発生から遺産の分配等に至るまでトータルでサポートいたしますので、相続、遺産分割等でお悩みの際は当事務所にご相談ください。

 

子に生前贈与する際の留意点

特定の相続人に対して金銭的な援助をするために生前贈与する場合の留意点として、生前贈与が「特別受益」とされ、計算上、遺産に戻され、各相続人の具体的相続分が算定されるということがあります。
どのようなことかといいますと、例えば父親Xが3000万円を持っていて、推定相続人が子どもであるA、Bの2名だったとします。
そのうち、Aに対して500万円を贈与し、2500万円を残して死亡した場合、2500万円をA、Bの二人で1250万円ずつ分けるのではなく、計算上、生前贈与の500万円を遺産に持ち戻し、法定相続分に従って分割することになります。結果として、Aは相続時点では1000万円、Bは1500万円を取得することになります。
特別受益の持ち戻しを考慮せずに生前贈与を行うと、相続人間で思わぬトラブルが生じるおそれがあるため、注意が必要です。

また、不動産など高価なものを贈与する場合、相続税よりも贈与税の方が税率が高いことに留意すべきです。
逆に、生前贈与の目的が相続税対策にある場合、定期金の贈与として一括課税されないよう、年によって贈与額を変えたり、違う種類の財産(現金のほか、株式など)を贈与するといった工夫が必要です

弁護士に委任すると……

将来想定されるトラブルのほか、税金の問題も考慮し、よりよい生前贈与の方法を検討、ご提案いたします。

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