事務局ブログ/言葉の力・造形の力

ごきげんよう、ジムカタです。新年初回のブログ更新となります。

原則毎週火曜更新の当事務所ブログも、気が付けば昨年末で4年目を迎えておりました。本年も引き続き弁護士・事務局交替で更新して参りますので、どうぞお付き合い下さい。

 

さて先日、東武鉄道新鹿沼駅前にある岡本太郎作のモニュメント『夢の樹』を見てまいりました。

制作年は1983年と今から40年も前ですが、2012年に現在地移設の際修復されているとのこと(『駅前で「強烈な存在感」 8000万円かけた岡本太郎作品が鹿沼にあった』2022年6月3日付 下野新聞記事)。今なお静かで強い存在感を放っています。

 

数年前『自分の中に毒を持て』という著作を読んでから、岡本太郎独特の思想・言葉に私は何度も励まされてきました。元日早々の大規模災害による被害に心が痛み、また昨年私自身も大変辛く悲しい出来事があったため、今また同書を開いているところです。頁をめくると、知性に裏打ちされた無邪気な逞しさを持つ言葉が溢れています。

そして彼の作り出した造形作品は、その言葉と同等かそれ以上の力強さを感じさせます。同書の中で「ほんとうの芸術の呪力」は「無目的でありながら人間の全体性、生命の絶対感を回復する強烈な目的を持ち、ひろく他に伝える」と岡本自身が語っているように。空へ伸び行く『夢の樹』の像を見ながら、そんなことを考えました。

何やら小賢しいことを書いてしまいましたが、岡本太郎自身は、特に美術に関する知識や作者への先入観などない一般大衆の日常に芸術作品があることを望んでいたようですから、鹿沼市の風景に作品が溶け込んでいる様は、その考えを見事に実現できていると言えるでしょう。


  お問い合わせ

  お電話