先日、父が亡くなりました。遺言書で、私が遺言執行者に指定されていました。遺言執行とはどういうことを言うのですか。
遺言執行とは、遺言の内容を実現することをいいます。具体的には、土地・建物などの不動産の登記、銀行預金など預貯金の解約や分配などの財産に関するもの、また婚姻外の子どもの認知や、相続人の廃除なども含まれます。
遺言執行者の意味とは
遺言執行者とは、遺言を実現する人のことを言います。
遺言には、不動産や預貯金などの財産の処分だけでなく、子どもの認知や相続人の廃除などの身分に関するものまで、さまざまな事項が記載されています。財産が相続人や受遺者にわたるまでには、不動産を登記したり、預貯金を解約するなど、実行しなければならないことが多くあります。これらの手続きを行うのが、遺言執行者なのです。
遺言執行者を指定するメリットとは
遺言執行者は、必ずしも遺言の中で定める必要はありません。遺言執行者を定めない遺言も、もちろん有効です。
ただ、遺言執行者が指定されていない場合は、相続人が、遺言を実現するための各種の手続きを行わなければなりません。多数の相続人がいる場合、相続人間にトラブルがあり協力が得られない場合などは、遺言を実現するための諸連絡や手続きが難航する可能性もあります。
しかし、遺言執行者が指定されていれば、遺言執行者が相続人全員の代理人として全ての手続きを行うため、遺言内容をスムーズに実現することが可能になります。
遺言執行者の適任者とは
遺言執行者は未成年者、破産者を除き、だれでもなることができます。相続人又は受遺者(遺言により財産を譲り受ける人)を遺言執行者に指定することもできますし、法人(信託銀行など)もなることができます。
しかし、遺言執行という行為は、利害関係が複雑にからみ、手続きがスムーズに進まないおそれがあるので、遺言執行者の負担は決して軽くありません。
できることなら、相続に関して利害関係のない、そして相続に関して知識と経 験がある人を指定するのが望ましいでしょう。
遺言執行をめぐるトラブルを回避するためには、弁護士を遺言執行者に指定することをお勧めします。弁護士なら、法的対応の経験が豊富なので適正・迅速に手続きを進めることができますし、相続人間のトラブルを回避することが可能です。
遺言の弁護士費用
▼法律相談料(消費税別)
初回30分 | 無料 |
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以降30分ごとに | 5,000円 |
▼遺言に関し受任した場合(消費税別)
内容 | 手数料 | |
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遺言作成 | 自筆証書遺言 | 定型 100,000円~200,000円 非定型 協議による。 |
公正証書遺言 | 上記に、30,000円を加算 (別途、公証人への費用が必要です。) |
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遺言検認 | 自筆証書による遺言書の検認。 家庭裁判所宛の家事審判申立書の作成、戸籍謄本等必要書類の取り寄せ。 |
100,000円~200,000円 |
遺言執行 | 遺言の内容に従い、遺産を換金・分配、不動産の移転登記、引渡、廃除の審判申立て。 | 対象財産の価額 300万円以下300,000円 300万円超3000万円以下 2%+240,000円 3000万円超3億円以下1%+540,000円 3億円超0.5%+1,500,000円 |
遺言についての通常の法律事務は、勝訴(成功)を目指すものではないため、着手金・報酬金(成功報酬)の形で費用をご負担いただくのではなく、手数料としてご負担いただく形となります。
ただし、遺言の無効を裁判上争う場合(遺言無効確認訴訟)や、遺言の解釈を巡って裁判上争う場合は、通常の訴訟事件と同様の扱いとなります。