刑事裁判で、被告人が弁護士を依頼できない場合、通常、裁判所が弁護士を選任します。「国選弁護人」と呼ばれるものです。
しかし、この「国選弁護人」は、逮捕された後すぐに選ばれるものではありません。
刑事事件の身柄拘束は、まず最大72時間の逮捕、その後10日まで(1回延長可能)の勾留という、二つの手続きに分かれていますが最初の逮捕の手続の段階では、国選弁護人は選任されません。簡単に言うと、逮捕されてからおおむね2日くらいは、裁判所は弁護士を選んでくれないのです。
そこで、弁護士会の重要な仕事として、依頼を受けた場合「当番弁護士」として1回まで無償で弁護士を派遣することにしています。
一般的には、逮捕されている人から警察署を通じて弁護士会に電話がありますが、時々ご家族などからのお電話もあるようです。火急の事態に使うものなので、調べてご連絡をいただけるのでしょう。
また、このほかに民事家事当番弁護というものもあります。
これは、民事や家事の裁判の当事者になった方について、弁護士会で弁護士による法律相談を提供しているものです。
典型的には、急に裁判所から訴状が届いたような場合に使うことが想定されています。
民事家事当番弁護士も、刑事の当番弁護士と同様、1回無料となっています。
裁判所からの書類は、基本的に放置しておくと不利益を生じることが多いものです。もちろん、正式に弁護士に依頼できるのであればそれに越したことはありません。しかし、依頼料を支払うことが難しい場合でもひとまずは弁護士への相談してみましょう。