判決について

判決に納得がいかないのですが

裁判に対して不服・納得のいかない場合、不服申し立てつまり上訴が設けられています。
第一審の裁判所が下した判決に対して,その裁判所のすぐ上の上級裁判所に不服を申し立てることを控訴と言います。また、控訴審で下された判決に対して不服がある場合にはさらに上告によって不服を申し立てることができます。
第一審の裁判所が簡易裁判所であれば、地方裁判所に控訴し、高等裁判所に上告することとなります。地方裁判所であれば、高等裁判所に控訴し、最高裁判所に上告することとなります。

控訴

控訴権は原則として、第一審の判決により不利益を受けた当事者に生ずるものになります。この不利益というのは、第一審における申立ての全部又は一部が排斥された状態のことを指します。当事者でない場合の不利益に関しては、原則として控訴は棄却されるものとなります。
更に、刑事訴訟法においては控訴の要件が更に限定的なものとなり、以下のものになります。

  • 1.法律に従って判決裁判所を構成しなかったこと。
  • 2.法令により判決に関与することができない裁判官が判決に関与したこと。
  • 3.審判の公開に関する規定に違反したこと。
  • 4.不法に管轄又は管轄違を認めたこと。
  • 5.不法に、公訴を受理し、又はこれを棄却したこと。
  • 6.審判の請求を受けた事件について判決をせず、又は審判の請求を受けない事件について判決をしたこと。
  • 7.判決に理由を附せず、又は理由にくいちがいがあること。
  • 8.刑事訴訟法377条、378条の場合を除いて、訴訟手続に法令の違反があってその違反が判決に影響を及ぼすことが明らかであること。
  • 9.法令の適用に誤りがあってその誤りが判決に影響を及ぼすことが明らかであること。
  • 10.刑の量刑が不当であること。
  • 11.事実の誤認があってその誤認が判決に影響を及ぼすことが明らかであること。
  • 12.再審の請求ができる場合に当たる事由があること。
  • 13.判決があった後に刑の廃止もしくは変更または大赦があったこと。

(刑事訴訟法第377条~383条より)

上告

刑事訴訟法における、上告とは高等裁判所がした判決に対する上訴であり、ほとんどが控訴審判決に対する上訴となります。
これは最高裁判所が管轄するものであり、憲法違反又は判例違反を理由とする場合にのみ、権利として申し立てることができます。(刑事訴訟法405条)
ただし、上記の理由がない場合であっても最高裁判所の職権による原判決破棄の権限が認められていること(刑事訴訟法411条)から、実際に現場においては、この職権破棄を期待した上告申立てが多くなっています。
また、上告棄却とは上告人が主張する上告理由がないとして、上告を排斥する裁判になります。その他上告棄却する場合は以下のケースです。

  • 1.原判決に上告人の主張する上告理由があっても、他の理由によって原判決が正当と認められる場合。
  • 2.刑事訴訟において、上告の申立てが法令上の方式に違反したとき、又は上告権消滅後にされたとき。
  • 3.上告の申立て理由が明らかに刑事訴訟法第405条の法定理由に該当しないとき。

つまり、前述させて頂いた職権破棄を期待して上告することが多いということは、決定で上告が棄却される例が多いということに繋がります。

控訴審の流れは?

控訴が認められるためには、控訴審が紛争の内容について判断するために必要な要件(控訴の用件)を満たさなければなりません。この控訴の用件で重要なものは、控訴期間控訴の利益といえます。

控訴期間

控訴するか否かは、第一審の判決書の送達を受けてから14日間以内で判断しなければならない

控訴の利益

裁判で申し立てた(請求の趣旨)と第一審の判決の主文とを比較して、判決の主文が請求の趣旨に満たなければならない

上記を踏まえたうえで控訴した場合

民事訴訟の場合、控訴状提出から50日以内に控訴理由書を提出すべきことが定められています。控訴理由書を提出する他、控訴審で新たに証拠を提出することができます。これに対し被控訴人からは控訴答弁書等が提出され、控訴審で口頭弁論期日が開かれます。審理が終わると判決が言い渡されます。(和解協議が行われる場合もある)

刑事訴訟においては控訴期間内に、控訴審を担当する裁判所宛の控訴申立書を第一審の裁判所に提出して控訴の提起をし、さらに控訴申立人は、提出期限までに控訴趣意書を提出しなければなりません。

控訴するか否かの判断

刑事事件において控訴するということは、決して自分に有利な判決を得られる可能性があるというメリットだけではありません。
控訴をするということは、裁判を長引かせるということと同義です。その為、拘置所における勾留期間が長引く可能性が出てきます。そのため、更に拘置所に勾留されることになります。(未決拘留日数のうち,一部が刑に算入されますが、全ての日数にはなりません。)
また、検察側が控訴することで第一審の判決を超える量刑が課されることはありません。これを不利益変更禁止と言います。

刑の種類を知りたい

歴史的・世界的に刑罰は、剥奪の対象とされる犯罪者の法益の種類に応じて以下のようなものがあります。

  • 生命刑(人の生命を奪う刑罰)
  • 身体刑(人の身体を侵害する刑罰)
  • 自由刑(人の身体の自由を奪う刑罰)
  • 財産刑(人の財産を奪う刑罰)
  • 名誉刑(人の名誉を奪う刑罰)

わが国の現行刑法では、生命刑としての死刑、自由刑としての懲役・禁錮・拘留、財産刑としての罰金・科料・没収のみ認められています。これらはさらに主刑と付加刑に区別され、主刑は重い順に死刑・懲役・禁錮・罰金・拘留・科料があり、付加刑は主刑の言い渡しがある場合に限り、主刑に付加して科しうる刑罰で、没収だけが認められています。
死刑は文字通り、被告の生命をもって償うものであり日本では刑事施設内での絞首によるものとなります。
懲役刑は、監獄に拘置して所定の作業(刑務作業)に服させる有期懲役と無期懲役があります。有期懲役は1月以上15年以下が基本ですが、加重するときは20年まで、減軽するときは1月未満にすることが出来ます。無期懲役は、終身の期間にわたる懲役刑で拘禁の期間を定めずに言い渡されるものです。ただし、10年経過後、「改悛の状」(①悔悟の情が認められ②更生意欲があり③再犯のおそれがなく④社会感情が仮釈放を是正しているがある状態のこと)があるときは、行政官庁の処分をもって仮出獄を許されることがあります。
禁固刑とは、監獄に拘置されることと有期・無期(有期の場合の期間も同じ)があることは懲役刑と変わりませんが、懲役刑と異なり刑務作業に科されません。(受刑者が作業をしたいと言えば従事することは許されています。)
罰金刑は、最低金額が1万円以上とされています。また減軽する場合には1万円以下に下げられる場合もあります。もし、受刑者が罰金を完納できない場合には、1日以上2年以下労役場に留置されることになります。
拘留とは、1日以上30日未満の期間、拘留場(通常は警察留置所)に拘置する刑のことで刑務作業は科されません。
科料とは、1000円以上1万円未満の支払いを命じられる刑のことで、これも完納できない場合は、1日以上30日以下の期間労役所に留置されます。

どのくらいの刑になるか知りたい

歴史的・世界的に刑罰は、剥奪の対象とされる犯罪者の法益の種類に応じて以下のようなものがあります。

  • 生命刑(人の生命を奪う刑罰)
  • 身体刑(人の身体を侵害する刑罰)
  • 自由刑(人の身体の自由を奪う刑罰)
  • 財産刑(人の財産を奪う刑罰)
  • 名誉刑(人の名誉を奪う刑罰)

わが国の現行刑法では、生命刑としての死刑、自由刑としての懲役・禁錮・拘留、財産刑としての罰金・科料・没収のみ認められています。
刑の具体的な執行内容は、刑法によって定められています。例えば、以下のように定められています。
「人を殺した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。」(刑法第199条)
これはいわゆる殺人罪に関する条文規定となっています。しかし刑の範囲が一番重いもので死刑、一番軽いもので5年の懲役と振れ幅が非常に大きいものとなっています。よって実際に宣告される刑の内容は、裁判所の判断に委ねられることとなります。これを量刑判断といいます。
現行刑法の全ての刑罰規定において、量刑判断の基準に関して明示したものはありません。前述した殺人罪においても、死刑になるか懲役刑になるかは先例の積み重ねによって、事実上の選択基準が形成されているに過ぎません。量刑の判断には、明示されたものがあるわけではなく犯行の情状などに鑑みて、処断刑の範囲内で宣告されるものとなっています。(まれに、処断刑の範囲を超えた判決が言い渡される場合もあります。)

「執行猶予」とは何ですか

執行猶予とは、刑の言い渡しはするが、情状によって刑の執行を一定期間猶予し、猶予期間を無事経過したときは刑罰権を消滅させることとする制度のことです。
これには、施設収容を避けて短期自由刑(刑期の極めて短い自由刑)に伴う弊害を防止し、猶予期間内に再犯すれば刑を執行するという威嚇の下に再犯を防止し、猶予期間を無事経過した際は刑の言い渡しの効果を消滅させて、前科に伴う不利益をなくし更正に役立てることを目的としています。
執行猶予の要件は徐々に緩和されてきている傾向にあり、具体的には以下のような要件となっています。

  • 前に禁錮以上の刑に処されたことがないとき、処されていてもその執行終了後又は執行免除を受けた後5年経過しても、禁錮以上の刑に処されたことがない者が3年以下の懲役もしくは禁錮又は50万円以下の罰金に処されたとき
  • 前に禁錮以上の刑に処され、その執行猶予中の者(ただし保護観察中でない者)が1年以下の懲役又は禁錮の言い渡しを受け、情状が特に軽いとき

以上の場合では1年以上5年以下の期間、執行を猶予できるものとされています。執行猶予付きの判決の場合,保護観察に付して,猶予の期間中,保護観察所の保護観察官や保護司の指導を受けるようにすることもあります。