夫・妻が子どもを連れ去りました

子の監護をめぐって話し合いがつかないとき、とくに離婚問題自体がこじれて、夫婦が完全な別居状態に至った場合に、夫または妻が相手の意思に反して一方的に子を引き取ってしまう場合があります。
このような場合、子どもを取り戻す法律的な方法、手続きとしては、家事事件手続法と人身保護法とがあります。
「子の監護者の指定そのほか子の監護に関する審判の申し立てがあった場合に、家庭裁判所は別の申し立てによって仮差押え、仮処分その他の必要な保全処分を命ずることができる」というものです。そしてこの保全処分は、審判前における子の引渡しを含むとされていますので、この制度が利用できます。この申し立てが認められると、引き渡せという審判がなされます。保全処分には強制執行力があり、後に基本の審判でも監護者として指定される可能性が高いといえます。家庭裁判所が子どもを引き渡すように命じる審判や仮処分が出たにもかかわらず、子どもを引き渡さない場合は家庭裁判所が子どもを引き渡すよう説得したり(履行勧告)、お金を支払わせたりする(間接強制)ことで、子どもの引き渡しを促すことになります。
また、子どもの引き渡しには人身保護請求という方法もあります。これは、請求の日から1週間以内に手続きし、すぐに裁判が行われます。裁判所が子どもを引き渡すように命じたにもかかわらず、これに従わない場合、罰金や懲役などが課せられます。