先週、今年初めての栗ご飯を頂きました。まだまだ日差しに暑さが残っているけれど、一足先に秋の訪れを口中に感じたジムカタです。
三連休に鑑賞した、栃木市立美術館『アートリンクとちぎ2025 壱からわかる!浮世絵超入門+オドロキの超応用編』なる企画展の周辺のことなど書き留めておきたい。
江戸後期に活躍した浮世絵師、喜多川歌麿が現在の栃木市に長逗留したとの縁から、栃木市では歌麿を中心としたまちおこしを図っている。そんな動きの中で数年前に新築されたこの栃木市立美術館では、所蔵品を中心に浮世絵鑑賞をすることが出来る。
浮世絵鑑賞、現代と江戸の昔では当然違う。現代はいわゆる美術鑑賞の対象となるものだが、江戸の昔における浮世絵は美術品と言うよりも、時に人気役者や遊女が描かれたブロマイド写真、時に旅先での風景を伝えるお土産(ポストカード)写真などとしての役割が大きかったし、そこに文章が添えられていれば新聞や週刊誌などの役割もあっただろう。庶民はそれを懐から出して眺めたり、壁や柱に貼って楽しんだりしたことが想像できる。
そんな浮世絵、他の絵画や写真などと同様に刹那の一瞬を切り取り描くから、見る者の想像力は大いに掻き立てられる。
今回の企画展で私が最も鑑賞時間を割いた月岡芳年の大判錦絵(大きい浮世絵、と思って頂きたい)『風俗三十二相 うれしさう』では、夏の夜に飛ぶ蛍を両手の中にパッと捕まえて嬉しそうな女性が描かれている。蛍を捕まえる前、両手を空けるために、手に持っていた団扇をとっさに口にくわえたのであろう。捕まえた蛍をこの後どうするのか、そっと手を開いて静かに飛んでいくのを眺めるのだろうか。デジタル動画全盛の現代でも、静止画を鑑賞すると自分だけの想像の世界を楽しむことが出来る。
帰路、珍しい八重の百合を買い求め簡単に生けた。これも、まだ暑さの残る日々に涼を呼ぶ私なりの想像力。人間て面白い。
