去る10月25日、弁護士になった同期の集まりで大阪に出向いた。みんな70歳代前後の、いいお父さん、お母さんである。集合場所は、大阪弁護士会だ。地下鉄北浜駅からすぐのところにある。
午後3時からの一次会が済み、近くの二次会場へと移動した。
私は、その後一人で堺筋線に乗り動物園駅前で降り、西成に向かった。大阪に住む同級生からの「西成に行くなら気を付けろよ」というアドバイスを胸に。
西成は、西成区の一角で釜ヶ崎と呼ばれ、東京の山谷と並ぶドヤ街だ。日雇労働者であふれ、独特の文化を形成している。そんな西成になぜか興味をそそられ、私も、二冊ほどの西成に関する本を読み、予習をして行ったつもりだったが、結局は中に入ることもせず、ホンの一角の居酒屋でビール1本だけ飲んで宿に着いた。お愛想は、5百円足らずだったので、千円札を置いて帰ってきた。
西成には、それなりの有名人がいる。元プロボクサー、浪速のロッキーこと赤井英和の生まれ故郷で、パドレスのダルビッシュ有の弟が三角公園で炊き出しをやっているそうだ。
釜ヶ崎人情という歌の中に「人はスラムというけれど ここは天国釜ヶ崎」という歌詞がある。他人を意識した社会的評価、出世などとは無縁な世界だ。人は何のために生きるのかと問えば「死ぬまでの暇つぶしや」と答える(國友公司『ルポ西成』より)。
暇つぶしなら、背負う物もないし、人の評価も気にならない。自分のやりたいことをやって一生を終える。こんな生き方もあるのかもしれない。