弁護士の尾畑です。今日は前三回(https://www.takagi-law.or.jp/law-column/3431)(https://www.takagi-law.or.jp/law-column/3410)(https://www.takagi-law.or.jp/law-column/3380)に引き続き、担保権をテーマにしたブログです。
今回は、保証人についてのご説明です。保証人は、厳密には担保権ではありませんが、同じような効果を持つことから「人的担保」とも呼ばれます。
保証人は、「主たる債務」について、これを代わって支払う義務を負う人を言います。もっとも典型的なものは借金ですが、その他にも就職時に仕事上のミスなどによる損害賠償義務を保証する身元保証や、会社の経営者が会社の取引、たとえば継続的な仕入れの代金支払いなどについて保証する場合など、保証契約の内容に基づき、さまざまな義務が「主たる債務」となります。
保証人は、これまでご紹介した中でも、特に恐いイメージがある言葉かと思います。
実際に、特に個人がする保証契約は危険が大きく、民法や身元保証法によってさまざまな制限がなされています。
とはいえ、保証契約には、財産のない人にも経済的な信用を与えることができるという利点があります。
個人保証の規制強化に対して、アパートの賃貸借契約などでは、最近は消費者金融業者などが提供する法人保証が増加しており、制度の変化に対応しながら、利用が続けられています。
保証契約にはいくつかの区分がありますが、特に重要なものは「連帯保証」と「根保証」の2つです。
「連帯保証」は、簡単に言えば、債権者が保証人と主たる債務者のどちらでも、好きな方に請求することができる保証契約です。この合意があることで、保証人は、仮に主たる債務者に財産がある場合であっても、先に主たる債務者に対して請求するように求めることができなくなります。5月29日までに支払わなければいけない100万円の借金の連帯保証をした場合、5月29日までに主たる債務者が借金を返さなければ、債権者は主たる債務者を無視して直接連帯保証人に支払いを求めることができます。
主たる債務者にお金がないときに保証人が支払い義務を負うというイメージからは離れますが、債権者にとってはお金のなさそうな主たる債務者をいちいち探して請求しなくてもよいことから、重要な意味を持ちます。このため、現在はほぼすべての保証契約が連帯保証となっています。
保証人になった場合、支払期限を過ぎたらいつ支払いを請求されてもおかしくないと考えておくのがよいでしょう。
「根保証」は、ある種類の債権をまとめて保証する保証契約の事を言います。先ほどご紹介した、就職する際の身元保証や、アパートに入居する際の保証人などは「根保証」による保証契約です。契約した時点では、実際に保証の対象になる債務がいくらか確定していないのが特徴になります。
このため、これらの契約では、保証人が契約時に予想していたよりはるかに高額の請求がなされて、トラブルになることが珍しくありませんでした。
現在では個人が根保証契約を結ぶ場合、上限額を定めなければならないことになっています。
なお、保証契約については、令和2年4月1日に大きな法改正が施行されており、この前後で適用される条文が異なります。もし、ご自身が保証契約に関する問題をお持ちである場合は、ご注意ください。