同じ部署で働く上司と部下が不貞関係にあることが発覚した。会社として、どのように対応すべきでしょうか。
1 不倫は基本的に私的分野(プライバシー)の領域の問題ですが、他の社員に知られたり上司の当該部下に対する人事評価が公平になされていたか疑問を抱かせるなど職場環境を悪化させることもあります。
また、当該上司と部下の勤務中の態度が周囲に不快感を与えることもありますので、人事権に基づいて、上司や部下を配置転換させることが考えられます。
2 当該上司と部下に対して、懲戒処分をすることができるでしょうか。たとえば、就業規則等に「職場の秩序を害する行為」が規定されていれば、他の社員に嫌悪感を抱かせたり、人事評価の公平性を害する事実等があれば、懲戒事由に該当するケースもあるかと思います。
もちろん、実際に懲戒処分に付すためには、裏付けとなる事実関係が確定される必要があります。
3 単なる上司と部下の不倫関係だと思われていたものが、実は「実は部下が上司からしつこく誘われ、不利益を受けるのが怖くて断り切れず泣く泣く関係を持った」というケースについてはどうでしょうか。このような事案について、実態はこの関係は不倫関係ではなく、セクハラであるとして、会社のセクハラ防止義務違反を認め、会社に対して(上司に対してはもちろん)損害賠償を認めた判決もあります(東京地裁平成24年6月13日)。
4 会社としては、社内不倫の事実を把握した場合、当事者から慎重な事情調査を行い、きちんと事実関係を確認したうえで、就業規則に則った対応が必要です。
事情調査を怠ると、職場環境整備義務違反といった理由で損害賠償請求を受ける(特に部下側から)おそれがありますのでご注意を。