金銭トラブル

  • 金銭を貸す場合の注意点

    他人に金を貸したが借用証がありません。返してもらえませんか?

    2年前、友人に頼まれて300万円を貸しました。友達なので、借用書などの書面はもらっていません。しかし未だに返してもらえず困っています。返してもらうことはできますか。

    借用証がなくても、貸したお金の返金を請求できる場合があります。
    借用書は「証拠」の一つなので、その他にお金を貸したということが証明できれば、貸したお金の返還請求をすることができます。どういう方法で請求するのが適切か、弁護士にご相談ください。

    お金を返してもらうためには借用書は必ず必要ですか?

    当時は相手を信用してお金を貸した、友人に借用証を書いてもらいにくかった等々、友人・知人間でお金の貸し借りをする場合に借用証を交わさないケースも見受けられます。借用証は、お金の貸し借りがあったことの「証拠」として証明するものなので、もし借用書がなくても、お金の貸し借りがあったという事実を何らかの方法で証明できれば、貸したお金を返してもらうよう請求できます。
    具体的には、お金の貸し借りを示したメモやメールのやり取り、第三者の証言、分割払いの場合の一部入金の入金記録などが挙げられます。その他にも、貸した相手方にお金を借りたことを認めさせる(債務の承認)など、お金を貸した事実を事後的に証拠化することも可能です。
    貸したお金の返還請求を正式に請求したケースを想定して、相手がお金を借りたことを認めなくても反論できる資料が必要です。同時に、且つ、その程度の資料さえあれば、借用証のような正式な書面がなくても、裁判上返還を請求できるのです。

    高木光春法律事務所のサービス

    「借用書がなくお金を返してもらえない」、「どうやって請求したらいいか分からない」「お金を貸した証拠の集め方が分からない」など、貸したお金を取り戻す方法についてお困りの方は、まずは高木光春法律事務所までご相談ください。ケースに応じた、最適な解決方法をご提案いたします。

  • 貸した金銭を回収する方法

    お金を返してもらえない場合、どのように回収すればいいですか?

    以前、知人に貸したお金を返してほしいと思っています。弁護士さんにお金の回収や金銭トラブルを頼んだ場合、どうやってお金を回収して解決してくれますか。

    貸したお金を返してもらう方法は一つではありません。事案に応じて、適切な手段で、適切な手順を踏んで回収する必要があります。弁護士なら、個別の事情を伺い、更に資料の検討を十分に行うことで、最適な回収方法を提案して解決することができます。

    どのような方法で金銭の返還を求めるのですか?

    貸したお金を返してもらう際には、まずどのようにして回収するかに注意しましょう。話し合いでお金の返還を求めても効果がない場合では、最終的には法的手段に頼らざるを得ないケースもあります。交渉、支払督促、裁判などの様々な方法の中から、状況に応じて適切に使い分けることが重要です。

  • 内容証明郵便

    内容証明郵便とはどういうものですか?

    内容証明郵便とは、いつ、いかなる内容の文書を誰から誰あてに差し出されたかということを、差出人が作成した謄本(内容文書を謄写した書面で、差出人と差出郵便局で保管するもの)によって、日本郵便株式会社が証明する制度です。内容証明郵便は、通知したこと自体を証拠として残すことに加え、内容証明郵便の受取人である借主に対して「お金を返してもらう」という強い意思を伝えることができます。

    内容証明郵便とはどういう場合に使うのですか?

    お金を貸した相手には、まずは貸主が電話などで督促するのが一般的ですが、あまり効果的ではないのが実情です。当事者の代わりに、弁護士が電話で交渉することで、借主が支払いに応じることもありますが、なかにはそれでも督促に応じないケースもあります。
    そのような場合、内容証明郵便という、日本郵便株式会社が通知を証明する方法で通知を受けた借主は、後日通知をうけていないと言えなくなります。これにより、借主に対して貸主の強い意思を伝えることが可能になります。
    また、内容証明郵便は、通知したこと自体を証拠として残しておくことができるので、時効を援用する場合や、クーリングオフ等の解約通知などの場合に用いられることがあります。

    お金を返して欲しい場合に内容証明郵便を出すメリットとは?

    お金を返してほしい場合に内容正面郵便を出すメリットは2つあります。
    1つは、請求したこと自体を証拠として残せるという点です。
    貸したお金は、何もせずに放置しておくと、債権の消滅時効にかかって請求できなくなります。消滅時効の完成前に支払を催告することで、時効完成を6か月遅らせることができます。この場合、内容証明郵便で催告することで、後日催告を受けていないという主張ができないように、証拠化しておくことが重要です。
    また、もし返済期限を決めずにお金を貸した場合でも、内容証明郵便により、請求したことを証拠化しておくことには意味があります。借主(債務者)は、お金を返すという履行の請求を受けた時から遅滞の責任を負い、年率5%の遅延損害金を支払わなければならないとされているからです。
    もう1つは、内容証明郵便の事実上の効果として、支払い要求の強固な意思を相手に示すという点です。内容証明郵便には、「期限内に支払わなければ法的措置を講じる」と明記するのが一般的です。そのため、裁判で請求するなど、事態が大きくなる前に、相手に心理的圧力をかけて債権を回収できる可能性が高まります。

    内容証明郵便を出したが相手が支払ってくれない場合は?

    内容証明郵便は、請求したことを証拠として残せるという効果はありますが、その性質は、あくまでも借主が自ら支払って解決することを目的とした働きかけです。そのため、内容証明郵便を出しても、借主に支払いを拒絶されたり請求を無視された場合は、民事訴訟や民事調停の申立て等の法的措置を検討する必要があります。
    なお、相手方が故意に内容証明郵便の受け取りを拒否することもあります。弁護士はこのような事態に備えて内容証明郵便を送付するのと同時に同じ内容の文書を普通郵便で送付することもあります。

    高木光春法律事務所のサービス

    高木光春法律事務所では、依頼者の希望に応じて、弁護士名で内容証明郵便を送るだけというご依頼にも対応しています(その場合、内容証明郵便の作成費用のみを申し受けます)。その後、債権回収をお引き受けする場合は、通常の着手金額から、内容証明郵便の作成費用を差し引いた額にて受任いたします。内容証明郵便による督促をご検討の際は、高木光春法律事務所までお気軽にご相談ください。

  • 少額訴訟の提起

    少額訴訟とは、少ない価額を争う場合に一般の訴訟とは異なり手続きが簡略化された制度を設けて、より多くの人々が裁判所を利用できるような制度のことを言います。

    • 少額訴訟は60万円以下の金額請求に限って利用できます。(自動車の引渡しや不動産の明け渡しを求めることはできません)
    • 少額訴訟では、原則として1日だけの審理をしてその日のうちに判決を下します。(ただ和解が成立しそうであったり、重要な証人がその日に出頭できないなど特別な場合には別の日に審理が行われます)
    • 少額訴訟では原則として審理が1日だけなので、提出できる証拠はすぐに調べられるものに限られます。
    • 少額訴訟では、トラブルを迅速に解決するという観点から判決に不服があっても控訴することは許されません。
    • 少額訴訟を提起した場合、被告が少額訴訟に同意しないで本格的な審理を希望して一般の訴訟に移行するように要求することが認められています。
    • 原告の請求を認容する判決が下されても被告の支払いを猶予することがあります。
  • 少額訴訟

    少額訴訟の意味

    知人が貸したお金を返してくれません。お金の額は50万円です。返してほしいのですが、回収のためにさほどお金がかけられません。どうしたらいいですか。

    民事訴訟のうち、60万円以下の金銭の支払を求める訴えを起こす場合に、原則1回の審理で解決を目指す特別な訴訟手続のことを「少額訴訟」と言います。
    通常訴訟を起こすと、判決が下されるまで何度も期日を行うため、多くの時間と費用と労力がかかるので、訴額が小さい場合、実際に取り戻したいお金よりも、裁判費用の方が高くついてしまう可能性もあります。
    少ない金額を取り返したい場合に、通常裁判よりも少ない負担で裁判所による権利救済をうけることができるという大きな利点があります。

    少額訴訟の進め方とは?

    少額訴訟が行われる法廷においては、裁判官と当事者が一緒にラウンドテーブル(円卓)に座り、審理が行われます。少額訴訟の途中で、話し合いで解決することも可能です(和解)。
    少額訴訟の判決は、分割払いや遅延損害金免除の判決がなされるなど、和解に近い内容になることもあります。少額訴訟での判決や和解調書に基づいて、強制執行を申し立て、相手方の財産から強制的に貸金を回収することも可能です。
    但し、少額訴訟は、相手方が応じずに通常訴訟をすることを求めた場合は、通常訴訟に移行することや、少額訴訟の判決に相手方が不満を唱えて異議を申し立てた場合は、再び審理をやり直さなくてはいけないので、余計に時間がかかるというリスクはあります。

    なお、少額訴訟は、1回の審理のみで解決を目指すという性質上、証拠書類や証人は、審理当日にその場で調べられるものに限定されます。また、被告(訴えられた方)は、少額訴訟では反訴(訴えられた被告が、訴えた原告に対して、同じ裁判手続きの中で逆の請求をすること)ができません。

    どのような事案が少額訴訟に適するか?

    少額訴訟は、請求内容が単純で、証拠関係が明らかなようなケースに適していると言えます。被告(訴えられた側)の事情なども汲み取り、支払を猶予したり、分割払いを認めたり、遅延損害金の支払いを免除するなど、被告側が現実に返済できる方法で事案を解決することができます。
    他方で、相手方との間で言い分が大きく食い違い、争うことが避けられないような場合は、少額訴訟での解決は不適切と言えるでしょう。
    なお、被告側(訴えられた側)は、少額訴訟を提起されても、通常訴訟に移行させる旨の申述をして普通の裁判に持ち込むことができます。

    高木光春法律事務所のサービス

    高木光春法律事務所では、少額訴訟についてのご相談、ご依頼もお受けしています。依頼者にとって最少の負担で最善の結果につながるよう、最善のサポートをお約束します。

  • 支払督促の申立て

    支払督促の手続はどのようなものか?

    私が貸したお金を借主が返してくれません。内容証明郵便を送っても効果がなさそうです。支払い督促という制度を聞いたことがあるのですが、どういうものですか。

    支払督促の手続とは、裁判所から「支払督促」の書類を相手方に送付して貰い、相手方が反論してこなければ、「支払督促」記載の貸金(債権)があるということを正式に認めてもらえる手続のことを言います。
    借主である相手方の性格などから、内容証明郵便を送って催促しても無視することが予想される場合で、且つ、お金を借りているということを争わないと予想されるような場合は、支払督促の申し立てが有効に働く場合があります。貸主からの督促は、無視してもそれ自体で不利益な扱いは受けませんが、支払督促は裁判所が出す書類なので、借主からの異議がなければ裁判をせずに強制執行が可能になります。
    通常、強制執行により貸金を回収する場合は、裁判を起こして、「借主は借りたお金を払え」という趣旨の判決を得なければなりませんが、そこに至るまでに時間とお金がかかります。借金の存在と内容について、貸主と借主の争いがないケースでは、支払い督促という簡易・迅速な手続きは有効な手続きと言えるでしょう。

    支払督促の進め方とは?

    支払督促は、相手方の住所地等の簡易裁判所書記官に申し立てを行います。
    支払督促の申立てに対し、借主が14日以内に異議を述べなければ、債権者(貸主)の申立てにより、裁判所は支払督促に仮執行宣言を付します。そして、借主がそれから14日以内に異議を述べない場合は、裁判手続きを経ずに、強制執行により貸したお金を回収することができます。
    ただし、支払い督促では、借主が異議を述べて反論した場合は、通常の訴訟手続きに移行します。貸主が請求した金額が140万円以下の場合は簡易裁判所に、140万円を超える場合には地方裁判所に訴えが提起されたものとみなされるのです。そのため、もし借主から反論があることが予想できる場合は、最初から訴訟を起こす方が適切といえるでしょう。

    どのような事案が支払督促に適するか?

    支払い督促は、債務(借金)の存在自体に争いがないケースに適していると言えます。具体的には、借用証もあって、貸した相手も借りたことを認めているけれど、あれこれ理由をつけて返してくれないなどのケースです。
    他方で、相手方から、異議が出されると通常訴訟によらなければいけないので、事件後直ちに訴えを提起した場合と比べてかえって余計な時間がかかってしまいます。借主が純粋に争う場面だけでなく、単なる時間稼ぎのため異議を出すこともあるので、相手方の性格や貸金の内容などを考慮しつつ判断すべきでしょう。

    高木光春法律事務所のサービス

    高木光春法律事務所では、どのようなケースが支払督促をするのに有効かなどのアドバイスから、実際の申立まで幅広く対応しています。また、支払督促を受けている方からも、異議申立てやその後の訴訟対応のご相談、ご依頼をお受けしています。支払い督促でお困りの方は、まずは高木光春法律事務所にご相談ください。

  • 民事調停の申し立て

    民事調停とはどのようなものですか?

    お金を貸した相手に返してもらいたいのですが、内容証明郵便を送っても応じないし、私が請求している借金の内容に反論があるとも聞いています。お金を取り戻すのに民事調停という制度があると聞きました。どういうものですか。

    民事調停とは、簡易裁判所で話し合いによって解決する方法です。裁判官と調停委員2名で構成される「調停委員会」が、貸主と借主の当事者双方の言い分を聞いて、利害関係を調整するなどして歩み寄りを促し、当事者間の合意による解決を目指します。
    このように、民事調停はあくまでも当事者同士が話し合って争いごとを解決することを目的としています。当事者どうしではまとまらなかった問題も、第三者が間に入ることで、冷静に且つ自分の主張を全て伝えることができます。

    民事調停の進め方とは?

    民事調停は、簡易裁判所に申し立てることによって行います。貸主が自分で調停の申立を行うこともできますが、守らなければならない法的手続きが多いので、弁護士に依頼して申し立てるのが確実でしょう。なお、民事調停の申立て手数料は、訴え提起手数料の半額です。
    通常の民事裁判は公開で行われますが、民事調停は非公開で行われます。通常の場合、双方当事者が同席して意見を言い合うのではなく、申立人(貸主)と相手方(借主)が調停室に交互に入り、調停委員に意見を伝えます。
    当事者が合意に達し、調停が成立すると、調停調書が作成されますが、その合意には確定判決と同一の効力が認められます。これにより、借主が合意に基づいた内容で支払わないような場合は、改めて裁判をすることなく強制執行により取り立てることが可能です。
    但し、当事者のどちらかが合意に応じない、そもそも調停期日に出頭しないなど、当事者双方が合意に達しない場合は調停不成立となります。その場合は、申立人は別途、訴訟を提起することができます。

    どのような事案が民事調停に適するか?

    民事調停は、問題になっている請求額が少額でコストをかけたくない場合や、借金があることは争いがないが支払条件等について話し合いが必要な場合などに適していると言えます
    他方で、お金を貸した・借りたことの主張自体が大きく食い違っているようなケースでは調停でもまとまらないことが多いので、最初から裁判で決着をつける方が効率的な場合もあります。民事調停を利用するか否かは、相手の性格や、お金の貸し借りに関する内容まできちんと把握して、争いの解決方法としてふさわしいかを検討して決めるべきでしょう。

    高木光春法律事務所のサービス

    債権回収の手段を選ぶ際には、相手方の性格や支払能力、証拠の有無、いくら請求するのか等、様々な事情を総合的に判断しなければなりません。高木光春法律事務所では、貸したお金を取り返すという債権回収を行う際に、民事調停を申し立てることが有効か否かのご判断のためのサポートから、民事調停の代理人まで幅広くご対応します。また、民事調停を起こされている方からのご相談にも対応しています。民事調停でお困りの方は、高木光春法律事務所にご相談ください。

  • 消滅時効と中断

    他人に債権をもっていますが消滅時効期間はどうなっていますか?

    以前、友人にお金を貸したのですが、長い間何もせずに過ごしてきました。貸したお金は、一定期間経過すると、時効になって返してもらえなくなると聞いて心配です。どのくらいの期間で時効になってしまうのですか。

    お金を貸した人が借りた人に対してお金の支払いを要求するなど、特定の人に対して一定の給付を請求できる権利のことを債権と言います。
    法律では、債権は原則として10年で消滅時効にかかるとされています。つまり、お金を貸したという債権を消滅時効の期間が経つまで放っておき、相手方が消滅時効が成立したことを主張すれば(これを時効の「援用」といいます)、貸したお金を返してもらうように請求することができなくなるのです。
    但し、権利を行使すれば、時効の進行を中断させることができます。

    なお、債権の種類によって、消滅時効の期間が異なります。

    どういう債権が何年の時効にかかりますか?

    貸金や売掛金、損害賠償請求権等の債権も、一定期間が経過すると消滅時効にかかります。民法では、債権の消滅時効期間は原則10年と定められていますが、債権の種類によって例外が認められているので、注意が必要です。以下はその一例です。

    消滅時効期間 債権の内容
    1年 ・月又はこれより短い時期によって定めた使用人の給料にかかる債権
    ・自己の労力の提供又は演芸を業とする者の報酬又はその供給した物の代価に係る債権
    ・運送賃に係る債権
    ・旅館、料理店、飲食店、貸席又は娯楽場の宿泊料、飲食料、席料、入場料、消費物の代価又は立替金に係る債権
    ・動産の損料(たとえば、レンタルCD、DVDなどの貸出物の損料)に係る債権
    2年 ・弁護士、弁護士法人又は公証人の職務に関する債権
    ・生産者、卸売商人又は小売商人が売却した産物又は商品の代価に係る債権
    ・自己の技能を用い、注文を受けて、物を製作し又は自己の仕事場で他人のために仕事をすることを業とする者の仕事に関する債権
    ・学芸又は技能を行う者が生徒の教育、衣食又は寄宿の代価について有する債権
    ・労働基準法の規定による債権(退職手当を除く)、災害補償その他の請求権
    3年 ・医師、助産師又は薬剤師の診療、助産又は調剤に関する債 権
    ・工事の設計、施工又は管理を業とする者の工事に関する債権
    ・不法行為債権(ただし、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から)
    5年 ・商行為によって生じた債権
    ・年又はこれより短い時期によって定めた金銭その他の物の給付を目的とする債権(定期給付債権)
    ・退職金債権
    10年 ・確定判決、裁判上の和解、調停その他確定判決と同一の効力を有するものによって確定した権利
    20年 ・不法行為債権(不法行為の時から)

    時効を援用するというのはどういうことですか?

    消滅時効の期間が経過しても、それだけで債権が消滅するわけではありません。借りたお金を返さなくて良いなど、時効の効果を得るためには、時効を「援用」しなければなりません。
    時効の「援用」とは、時効によって利益を受ける人が、時効が成立したことを主張することをいいます。援用の方法は、単に「消滅時効を援用する」と相手方に伝えるだけで足ります。但し、裁判になっていない場合は、援用した事実を明確に残して、将来裁判になった時に備えて証拠化しておくため、内容証明郵便を利用することが一般的です。裁判になっている場合は、裁判所に提出する答弁書や準備書面の中で、「原告主張の債権については消滅時効が完成しているため、被告は本書をもってこれを援用する」という方法で主張をします。
    仮に、貸主が裁判で「お金を返せ」と請求している場合は、時効を援用しないと、通常どおり支払いを命ずる判決が下されることになるので注意が必要です。

    時効が「中断」するというのはどういうことですか?

    消滅時効は、一定期間講師をしない場合、権利を消滅させる制度ですが、これは「請求できるのに何もしないで放っておくような、権利の上に眠る者は保護しない」として、「長期間請求がないから今後も請求されることはないだろう」という借り手である債務者側の期待を保護する目的があります。
    反対に、消滅時効は、権利を行使すれば進行を中断させることが可能です。債権を回収するために何らかの行動を取ったり、債務者自身が「自分はお金を借りている」と、債務の存在を認識している場合は、時効の「中断」が認められます。
    時効の中断とは、時効期間の進行が停止するのではなく、時効期間の進行がリセットされることを意味し、通常の債権の場合であれば、中断時点からさらに10年間が経過しないと、時効は完成しません。
    中断事由には次のようなものがあります。

    中断事由 内容
    請求 裁判等で支払いを求めることです。
    ※内容証明等、通知書で求めることは「催告」といい、「請求」ではないので、時効は中断しません。但し、催告から6か月以内に、時効中断事由にあたる手続きを行えば、時効が中断されます。
    差押え
    仮差押え
    又は仮処分
    差押えをすることで時効が中断します。但し、判決書、和解調書や、強制執行認諾文言付の公正証書に基づいて、正式に差押えを行うことが必要です。
    裁判を起こす前に、仮差押えや仮処分を実施する場合も同様です。
    承認 債務者が、債務の存在を認めることです。
    具体的には、借金を一部返済したり、支払猶予を求めること等も「承認」に含まれます。

    時効が問題となる場合の対処方法とは?

    時効期間が経過したからといって、直ちに債権が消滅して、お金を巡るトラブルが解決するわけではありません。貸した側(債権者)にとっては、時効期間の経過によりすぐにお金を諦める必要はなく、借りた側(債務者)としては、時効期間が経過したからといって安心していては後で思わぬ請求が来る場合があります。
    時効が絡む問題は、時効の中断事由がはたして存在していたのか等、様々な言い分が対立する場合が少なくありません。このような場合は、弁護士による早期且つ適切な助言が問題解決に有効な場合は多くあります。

  • 仮差押仮処分

    訴訟を起こしたいと思いますが、その前にやることはありますか?

    相手がお金を払わないので、裁判を起こすしかないと思いますが、その前にすべきことはなんですか。

    仮差押えとは、債務者が代金等を支払わないのに、持っている財産を処分しようとしている場合に、裁判所に対して取引先の財産を仮に差押えるよう申立てることができる制度のことをいいます。具体的には、債務者が、銀行預金や取引先への売掛金債権を持っている場合に、銀行や取引先から債務者に対する支払いを禁止させる処分のことです。債権者は、後日裁判で勝訴判決を得た場合には、銀行や取引先から直接支払いを受けることになります。
    法律上、債務者は仮差押えの対象財産を処分できないわけではないのですが、仮差押があると、債務者から対象財産を取得しようとする者は、将来権利を失うかもしれないという不安定な地位に置かれるため、通常の取引では取得しようとする者がいなくなります。債務者側にとっても、実質財産の処分ができず、銀行口座を凍結されるなど大きなダメージを与えることになるので、裁判前に自主的に債務を支払う合意が成立することもあります。

    仮処分とは、裁判で結論が出るまで、債務者の財産の処分を禁止するなどして現在の状態を維持するための制度のことをいいます。具体的には、債務者名義の不動産を、他者に売却するなどの処分を禁止させる処分のことです。債権者は、後日、裁判で勝訴判決を得た場合は、その不動産を差し押さえて、競売で得た売却代金から債権を回収することができます。

    仮差押え・仮処分の有効性は?

    債務者側がいつまでも債務の弁済をしないケースでは、債権者は、裁判を起こして勝訴判決を得て、これに基づいて強制執行をして債権を回収することになります。
    しかし、せっかく裁判で勝訴判決を得たとしても、強制執行する時点で債務者側に資産が残っていない状態では、結局のところ何も回収できず、骨折り損になってしまう恐れがあります。
    仮差押えや仮執行は、このような事態に備えて、債務者側の財産を維持・保全しておくために有効な手続きです。
    債務者の中には、どうしようもなく経済状態が悪化してしまった人だけではなく、強制執行されることを予想して、保有している財産を家族や第三者に贈与・売却したり、あらかじめ銀行口座から預貯金を引き出すなどの悪質な対応を取る人もいます。このような行為は、強制執行妨害罪に問われるケースもありますし、他の法的手段により回復することも可能です。しかし、そういった手段を取ることは、単に債権を回収したい債権者の負担を増すことにもなりかねません。こうした事態を防ぐためにも、仮差押えや、仮処分は有効な手段ということができるでしょう。

    仮差押え・仮処分をするには?予納金とは?

    仮差押え・仮処分は、迅速に執り行わなければなりません。手続きの性質上、事前に債務者に告知していたのでは、債務者に財産を処分させてしまう危険があるためです。
    他方で、仮差押は債務者に大きな負担をかけることから、いつでもできるというわけではありません。仮差押の決定を得るには、債権等(被保全権利)があることと訴訟を待たずに仮差押をする必要性の2点を、証拠等で裁判所に認めてもらう必要があります。
    また、仮差押の決定には、後日の訴訟で、誤りであったことが明らかになった場合に備えて、通常、裁判所の指定する金額と方法により担保を立てることが条件となります。担保の額は、債権の確実性や保全の必要性、債務者の受ける不利益などを考慮して決められ、仮差押えの対象財産の価格の5~40%程度で決まることが多いようです。担保は、現金を法務局に供託する方法により納付します。
    仮差押え・仮処分は、債権の存在について厳格な証明は必要でなく、しかも相手の言い分を聴くことなく命令が出される反面、貸主にも担保という責任が課されることでバランスがとられているのです。

    高木光春法律事務所のサービス

    高木光春法律事務所では、仮処分・仮差押えについても、費用や債権回収の可能性を踏まえたうえで、依頼者の事情やご希望に沿ったご提案をいたします。仮処分・仮差押えでお困りの方は、まずは高木光春法律事務所にご相談下さい。

  • 強制執行

    強制執行とはどういうものですか?

    勝訴判決が出ましたが、相手が判決を無視し、お金を払ってくれません。

    強制執行とは、債務者がきちんと債務の履行をしない場合に、国家機関が強制的にその債権内容の実現をしてくれる制度のことをいいます。強制執行は、国が強制的に債務の履行をさせるものなので、強制執行が認められるためには、確定判決や強制執行認諾文言付き公正証書等の公正の文書(債務名義といいます)が必要です。

    強制執行のその方法としては、預貯金や売掛金等の債権を押さえる方法、相手の給与債権を差し押さえる方法、不動産を差し押さえる方法等があります。

    強制執行をしなければならない場合とは?

    債権者が裁判で勝訴判決を得たり、債権者と債務者の間で和解が成立した場合でも、債務者側が任意に支払いをしないケースも少なくありません。判決がでても、それだけでは相手が自動的にお金を払ってくれるわけではないので、そのような場合は、判決とは別に、強制執行の手続きを執る必要があります。

    強制執行の種類には、直接強制、代替執行、間接強制があります。
    直接強制とは、債務者の意思にかかわらず、国家機関が直接、強制的に債権を実現することをいいます。具体的には、買主が代金を支払わないとき、裁判所が買主の預金や給与、不動産等を差押え、これを代金に充当する等の場合です。但し、直接強制は、物の引き渡しを目的とする債務についてだけ認められます。

    代替執行とは、第三者に債権の内容を実現させて、その費用を国家機関が債務者から取り立てることをいいます。具体的には、土地を借りて建物を建てている人が、地代を支払わないために土地の賃貸借契約が解除されると、建物を取り壊して更地に戻して土地を返還する債務を負いますが、借主がそれを行わない場合に、裁判所が認めた者に取り壊させて借主に費用を負担させる等の場合です。
    他にも、債権執行(預貯金、給与、売掛金等)、動産執行等の方法がありますが、第三債務者から直接、金銭を支払ってもらう債権執行が簡易な方法と言えます。債権執行にあたっては、債務者がどの銀行に口座を持っているか、どこに勤めているか等の情報が重要になります。
    但し、代替執行は第三者が代わって行える債務について認められます。

    間接強制とは、債務を履行するまでの間、裁判所が債務者に対して一定の金銭の支払義務を課することによって、債務者を心理的に圧迫して、間接的に債権の実現を図るものです。従来は例外的にしか認められていませんでしたが、現在は、金銭債務を除く物の引渡債務や代替執行が可能な債務については、直接強制、代替執行の方法だけではなく間接強制も認められています。

    高木光春法律事務所のサービス

    高木光春法律事務所では、債務の支払いが滞っているようなケースについても、強制執行のご相談、ご依頼をお受けしております。ご検討の際は、高木光春法律事務所までご相談ください。

  • 回収までの流れと要する時間

    お金を回収するのにどの位の時間がかかりますか?

    債務者に貸したお金を取り返したいと思っています。弁護士に依頼した場合、通常どの程度時間がかかるのですか。

    お金を回収するのに要する時間は、債務者の性格や態度、保有している財産など、様々な事情によって異なります。いずれにしても、1日も早い解決を目指すには、債権回収のための適切な手段を選ぶことが重要です。

    事件が終わるまでにどの位の時間がかかるか?

    お金を貸している方にとっては、どのくらいの期間で実際に債権を回収できるのかは、最も気になる問題だと思います。
    しかし、お金に関するトラブルを解決するまでにかかる時間は、債務者側の対応や保有している財産など、個々のケースによって異なるのが実情です。また、早く解決できると思われていた事件が予想外の事情が生じて長期化したり、逆に、まったく進展が望めないような事案で、債務者側が突然任意に支払いに応じて解決すると言った場合もあるのです。

    もっとも、どのような手続きを取るかによって、概ねかかる時間が決まってきます。
    具体的には以下のようになります。

    話し合いを行う場合(双方が裁判を避けたいと思っている場合)

    1~3か月程度で終了する場合が多いです。
    裁判とは異なり事実関係の主張立証をしないこと、話し合いの内容が金額や支払時期等の条件に集約されるため、比較的短期間で終了します。

    民事調停の場合

    民事調停の申立てから6か月程度で目途が立つこと場合もあります。
    民事調停は、話し合いによって解決を目指す手続きです。そのため、事実関係の主張を交わす裁判よりも短い期間で解決することが多いです。
    通常、申立てから1か月強程度で第1回調停期日が指定され、その後、1か月から1か月半毎に期日が開かれます。

    民事訴訟の場合

    長期化しがちです。
    任意での交渉や調停がまとまらず、裁判を起こす場合は、解決までの期間が長期化しがちです。証拠がしっかりしていても、相手方が無駄に事実関係を争ったり、感情的になることも少なくありません。逆に、債務者側も、裁判が長期化することを防ぎたいとして判決前に事件が解決できる場合もあります。

    どのようにすれば早い解決ができますか?

    お金に関するトラブルをできるだけ早く解決するためには、解決のための手段を適切に選ぶことが大きな意味を持ちます。話し合いに固執するあまり、かえって事態を長期化し、無用な時間とお金がかかる場合も少なくありません。状況を見据えて適切な手段を選択するには、専門家である弁護士のアドバイスが有効です。弁護士が間に入ることで解決に向かうケースも少なくありません。お金を巡るトラブルでお困りの方は、まずは高木光春法律事務所にご相談ください。

  • 借金と保釈人の責任

    保証人の責任はどのようなものですか?

    友人が借金をする際、その保証人になりました。しかし、友人が借金を返さなかったようで、私に請求がきました。友人本人から取り立てるように言えるでしょうか。

    保証には、単なる「保証」と「連帯保証」とがあります。質問のようなケースでは、単なる「保証」をしたのか、「連帯保証」をしたのかで取り得る対応が変わってきます。
    単なる「保証」をしていた場合は、債務者本人である友人から取り立てる(催告)よう請求することができますし、友人本人に借金を返せる財産があり、且つその財産から借金を回収すること(執行)が容易であることを証明すれば、本人の財産から執行するよう求めることができます。これに対して、「連帯保証」をしていた場合は、保証人であっても債務者本人とほとんど同じ責任を負います。そのため、友人本人から取り立てるように請求することはできません。

    保証と連帯保証とはどのように違うのか?

    保証には単なる「保証」と「連帯保証」とがあり、法律上、効果や負うべき責任の範囲は、以下のように区別されています。

    単なる保証の場合

    「催告の抗弁権(まず本人に催告をするよう請求できる権利)」、「検索の抗弁権(本人に債務を弁済する財産があり且つ執行が容易であることを証明すれば、本人の財産から執行するよう求めることができる権利)」が認められています。
    また、「分別の利益」が認められています。これは、保証人が複数人いる場合は、債務全額を保証人の頭数で割った金額の範囲で責任を負えばよいとする制度です(具体的には、200万円の借金に4人の保証人がいた場合、各保証人は、200万円÷4人=50万円の範囲で責任を負えば足ります。

    連帯保証の場合

    債務者本人が財産を持っていても、債権者から請求があれば連帯保証人が弁済しなければなりません(「催告の抗弁権」「検索の抗弁権」が認められません)。
    また、「分別の利益」が認められず、債務額全額の範囲の責任を負います(具体的には、200万円の借金に4人の連帯保証人がいた場合、4人の連帯保証人全員が200万円全額の範囲の責任を負い、債権者側からすると、債務者本人と、連帯保証人4人の計5人の最も回収しやすい人に請求できます)。
    一般的に、保証を求める際は、「連帯保証」とすることが多く、不動産の賃貸借契約書や、金銭消費貸借契約書では、連帯保証とされるのが通常です。

  • 金銭貸借の紛争に関する弁護士費用

    法律相談料(消費税別)

    30分ごとに 5,000円

    着手金の一般的な例(消費税別途)

    経済的な利益の額が
    300万円以下の場合 経済的利益の8%(最低額は10万円)
    300万円超3000万円以下の場合 同5%+9万円
    3000万円超3億円以下の場合 同3%+69万円
    3億円を超える場合 同2%+369万円

    成功報酬の一般的な例(消費税別途)

    経済的な利益の額が
    300万円以下の場合 経済的利益の16%
    300万円超3000万円以下の場合 同10%+18万円
    3000万円超3億円以下の場合 同6%+138万円
    3億円を超える場合 同4%+738万円