弁護士ブログ/技能実習について

弁護士の尾畑です。

先日,ベトナムの技能実習生送り出し機関5社について日本での受け入れが停止となったというニュースがありました。

今回はこの,技能実習についてお話ししようと思います。

1「技能実習」とは

外国人が日本に入国する際は,国から「在留資格」の付与を受ける必要があります。在留資格には大別して,目的(留学,経営・管理,短期滞在など)に基づくものと,身分または地位(永住者,日本人の配偶者等など)に基づくものがあり,「技能実習」は目的に基づく在留資格のうち1つです。

※厳密には1号イ 1号ロ 2号イ 2号ロ 3号イ 3号ロに分かれます。

 

「技能実習」は,とてもおおざっぱに言ってしまうと,OJTをするために来日する外国人向けの在留資格となります。

 

2「技能実習」の特徴

  • 実習としての特徴

技能実習の在留資格で日本に入国しようとする場合,どんな実習を受けるのか,実習先の企業と実習生との間であらかじめ実習計画を決めておく必要があります。

日本に入国後は計画に基づいて実習を受けることになるため,国の許可なく実習先を変えることはできませんし,副業をすることもできません。

最初の実習期間は1年ですが,職種によっては技能評価試験をクリアすることで追加で2年の実習を受けることができます。実習先が「優良な実施団体」と認められている場合,再度技能評価試験をクリアすることで,さらに2年,つまり最長5年の技能実習が可能となります。

技能の習得を目的としているため,技能実習終了後に,再度同じ内容で技能計画を作成し,実習を行うことはできません。実習中に習得した技能や語学を日本で活用したい場合,特定技能など別の在留資格の申請を検討することになります。

  • 労働者としての特徴

技能実習はあくまでオン・ジョブ・トレーニングであることから,入国直後の座学期間を除き,実習生と実習先との関係には労働基準法や労働契約法が適用されます。

原則として技能実習中は「監理団体」と呼ばれる外部団体の指導・助言を受ける必要があり,不正行為に対するペナルティーも近年厳格化しています。実習の受け入れ先企業は労働法の順守に特に気を配る必要があります。

 

3 こんな使い方も

技能実習といえば,母国の送り出し機関から送り出される外国人を受け入れる方法がよくイメージされますが,これは「団体管理型」の技能実習と呼ばれています。

この他,「企業単独型」と呼ばれる技能実習も存在します。たとえば海外に置いた支店や子会社の従業員,あるいは関係の深い海外企業(長期的な技術提携先など)の従業員を国内に受け入れて研修を行う場合にも,技能実習の在留資格を使うことができます。

この場合は,不正利用の可能性に乏しいため,監理団体による指導・助言を受ける必要もありません。

 

  • 本記事は投稿日現在の情報をもとに記述しています。法改正等の可能性がありますので,具体的事件の対応については法律相談をご利用ください。

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