養育費を増額・減額したい

一度決められた養育費は、普通ある程度先の見通しに立った上で決められるものですから、それを変更することは困難になります。
しかし、養育費のように年々子どもの成長につれてかかる費用も変化し、それが10年、15年と長期間にわたるものは、社会情勢・物価水準の変化に伴い、養育費の額も変更できることを認めないと不公平になる恐れがあります。物価の変動に加えて、子の事情として、進学による教育費の増加、病気、事故などによる医療費の増加などがあり、その子の親権者・監護者の事情としては、勤務先の倒産、病気、怪我など、やむを得ない事情により収入の低下をきたしたことなどが考えられます。養育費を取り決める際に当事者が、変更が予見し得た事情が現実化したにすぎないような場合などは「事情の変更」があったとは認められないとした決定もあります。しかし、養育費は子の福祉のためのものですから必ず増額又は減額が認められるわけではありません。
そして、支払う側の事情としては、養育費を決めた時点よりも収入がアップしていること、つまり養育費の増額に応じられる事情があることが必要になります。逆に、支払う側に支払いの継続が困難なやむを得ない事情が発生し、受け取る側が収入の増加安定を得たときは、減額の請求もできる理屈になりますが、裁判所に正式に減額を請求する例は少なく、事実上減額送金、送金遅滞となってしまうようです。
養育費の増減額も、まずは親同士の話し合いで決める問題となります。もし話し合いができないとき、あるいは話し合いがつかないときは、家庭裁判所に養育費の増減額を求める調停の申し立てができます。子の養育費は「監護について必要な事項」のうちの重要なものであり、「監護について相当な処分」として親権者から他方の親に養育費の分担を請求できることになっていますから、その変更も認められます。