養育費について

離婚して夫婦は他人になっても、親子関係が途切れることはありません。親には未成年の子どもを養育する義務があり、子どもには扶養を受ける権利があります。離れて暮らすことになった親にも養育費で扶養の義務を果たす必要があります。
養育費には、子どもの衣食住などの生活費・教育費・医療費・娯楽費などが含まれます。離婚後、父母はその経済力に応じて養育費を負担し、通常は子どもを引き取って育てる親に引き取らない親が支払います。
養育費を何歳まで支払うかは、父母の話し合いによって決定します。家庭裁判所の調停や審判では満20歳までが一般的ですが、高校や大学卒業とすることもあります。また、養育費の金額に法的な規定はありません。父母の収入や財産、生活レベルに応じて話し合います。金額は生活に必要な最低限度の額ではなく、親と同レベルの生活をさせる義務があると考えられています。一般的には子ども1人につき月額2万円~4万円が多いです。支払いは毎月振り込むのが一般的ですが、相手に長期にわたって支払う経済力がない、信用がおけないと思われる場合は、相手が承諾すれば一時金として離婚の際にまとまった支払いを受ける方法もあります。養育費は子どもからも請求することができます。

養育費の算定には、東京・大阪の裁判官が共同研究所の結果、作成した「養育費算定表」が参考資料として広く活用されています。(東京家庭裁判所のホームページ参照)養育費算定表は、子どもの人数と年齢により9つの表に分かれていて、子どもを引き取る親と養育費を払う親の収入により、標準的な養育費の額を割り出せるようになっています。しかしこの金額は、あくまでも目安であり、最終的には当事者間の話し合いにより金額を決定します。話し合いがつかない場合、家庭裁判所に調停を申し立てします。

この表でみると、 例えば、

元夫の収入800万円、妻の収入100万円、12歳の子を妻が引き取った場合
元妻は元夫に、10~12万円を請求できる
元夫の収入500万円、元妻の収入300万円、18歳の子と12歳の子を妻が引き取った場合
元妻は元夫に、8~10万円を請求できる

ということになります。

金額と共に支払い期間と方法も決めます。不払いなどのトラブルも少なくないので養育費についての話し合いがついたら、必ず文書にしておきましょう。文書には、支払いの期間・金額・支払い方法などを具体的に明記します。文書はできるだけ強制執行力のある公正証書にします。もし支払いが滞った場合に裁判をおこさなくても、相手方の給料や財産を差し押さえるなどの強制執行ができます。