就業規則に記載されていない事由で従業員を解雇できますか?

解雇事由は、就業規則において定められているのが一般的です。もっとも、解雇事由を網羅的に就業規則に規定することは現実的ではありません。また、いかに労働者が信義を欠く行動をしたり、職務遂行能力が無かったり、会社に損害を与えた場合にも就業規則の解雇事由に該当しない限り解雇できないとすることは不当な結果になりかねません。
そこで一般的には、就業規則の解雇事由は解雇事由を限定した趣旨であることが明らかでない限り例示列挙事由と解され、就業規則に規定のない解雇事由による解雇も有効となる場合があります。この場合、無制限に解雇ができるということではなくて、解雇が客観的に合理的と認められ、社会通念上相当であると認められる場合でなければ解雇権を濫用したものとして無効とされます(労働基準法第18条2項参照)。
なお、就業規則に規定のない解雇事由の解雇は、無用の議論を生じるおそれがありますので、「前各号に準ずる重大な事由」等の包括条項を設けている会社がほとんどであると思われます。


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